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Baby teeth remain Case

永久歯が足りない・乳歯が残っている

乳歯が残っている(成人)

永久歯がもともと無くて(先天欠如)の方です。「乳歯が残っている。デンタルインプラントを入れた方が良い」と言われた方でも、矯正治療で乳歯のすき間を閉じることが可能な場合があります。

乳歯が残っている(成人)の治療の比較

上のE(乳歯)を2本、下の4番を2本抜歯して、上下の8番(親知らず)まで並べたため、結果的には本数は減っていません。外科矯正も考えられる症例をさらに舌側矯正で行ってほしいと言う難しいリクエストでしたが、上顎の4番には外側にも装置をつけさせてもらうことをご了承頂き、開始しました。乳歯を抜歯してデンタルインプラントを入れた方が簡単で、時間は短くて済みますが、矯正治療ですき間を閉じる方が個人的には良いと思っています。

  • 1主訴:前歯で咬めない。受け口。永久歯が足りないと言われた。上の乳歯が2本残っている。デンタルインプラントを避けたい。
  • 2症状:前歯で開咬と反対咬合を認める。上顎左右E(乳歯)が残っており、上顎左右5番が先天欠如。外科矯正も視野に入れましたが、ご本人が矯正治療のみでの改善をご希望されました。
  • 3年齢:20代の女性
  • 4使用装置:上顎舌側矯正装置、下顎表側マルチブラケット装置、歯科矯正用アンカースクリュー1本、上顎も2本使用する予定でしたが、使用しないまま終了しました。
  • 5抜歯部位:上顎左右E、下顎左右4番
  • 6治療期間:3年1ヶ月
  • 7治療費:95万円+アンカースクリュー1本(3万円)+毎回の調整料
  • 8リスク、副作用:スペースを閉じきれないことがある。歯の移動量が大きいため、歯根吸収が生じる可能性がある。舌を突き出しながら飲み込む癖を直さないと後戻りして、前歯が再度開咬になる可能性がある。

乳歯が残っている(成長期)

5番がもともと無い(先天欠如)子供の場合、7番が生えてくるタイミングで処置を行えば、7番の生える力を利用して比較的容易にすき間を閉じることが可能な場合があります。一期治療を終了し、経過観察を経て、2期治療に入った段階で対応した症例をご紹介します。

乳歯が残っている(成長期)の治療の比較
  • 1主訴:前歯の凸凹。右下の永久歯がないと言われた。デンタルインプラントは避けたい。
  • 2症状:前歯で凸凹を認めたため、一期治療で上下の歯列を拡大しました。右下5番が先天欠如、右下8番(親知らず)はあるため、右下Eを抜歯して、6番を手前に誘導することとしました。
  • 3年齢:中学生の女性
  • 4使用装置:下顎リンガルアーチ、表側マルチブラケット装置、歯科矯正用アンカースクリューは使用していません。
  • 5抜歯部位:右下E
  • 6治療期間:写真の変化で、1年3か月
  • 7治療費:一期治療30万円+二期治療40万円+毎回の調整料
  • 8リスク、副作用:スペースを閉じきれないことがある。右下のみ抜歯をしているため、下の歯の中心が右にずれることがある。歯科矯正用アンカースクリューを使用する必要が生じる可能性がある。歯の移動量が大きいため、歯根吸収が生じる可能性がある。

下の7番が生えるタイミングで行うと、うまく下の6番が手前に動いてくれる可能性があります。3番の位置を見ると前歯の部分は大きく変化していないことがわかると思います。ただし、乳歯を単純に抜歯するだけではうまく動いてくれません。

この症例では、リンガルアーチを下の歯列に入れて、右下4番を固定していること、右下にワイヤーを入れ、右下6番の手前への傾斜を予防していること、右上にも装置を装着し、咬み合わせの引っかかりを防止していることなど、いくつかのポイントがあります。

結果的には、右下は8番(親知らず)を咬み合わせに利用して、1本少ない右下の歯数を合わせる予定です。